20130316 房総半島

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シャッ…
ボッ…
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カチャ…ウィーン…
ブォン!ボォォォォォ…
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疲れ切った身体を撫でる様な、生温かい風に揺れる煙。
真冬のジャケットを身に纏い、エンジンにも火を入れた。
 
朝の清々しい空気の中じゃない。
混雑真っ只中の淀んだ空気の中を脱力感に支配された身体で走り出した。
 
ぼーっとしながらも、東名高速をハイスピードで駆け抜けて行く。
今夜はいつもの様な胸の高鳴りはない。
僅か220kmを稼ぐ為に、ただ走らなきゃならない。
 
21時、沼津で降り、インター近くのホテルに入った。
ボォォォォォプシュッ…
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「お待ちしておりました。お疲れ様でした。夜は寒くはございませんでしたか?」
 
「ありがとうございます。これくらいの気温がちょうどいいんです。
明日は3時には発ちますので、お願いします」
 
「まぁ、お早いご出発なんですね。かしこまりました。
すぐお休みになって下さい」
 
「ええ、そうします」
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宿泊というより、ほんの僅かな休憩時間でしかない。
疲れてはいてもなかなか寝付けず、
結局2時間の睡眠の間に3度も目が覚めてしまった。
 
午前2時半。
意識朦朧とする中、半ば強引に身支度を整える。
予定通り3時には静まり返ったR246をインターに向かい走り出した。
裾野ICから一気に九十九里浜を目指す。
トラックは多いが順調に流れる東名。
しかし、海老名辺りからの工事で真夜中の渋滞が待ち受けていた。
 
誤算だった。
体力の消耗を最小限に抑える為の夜中発だったが、
眠れなかったのもあって予想以上に消耗。
 
横浜町田で渋滞は解消され、初めての首都高を走り東関東道、京葉道、
千葉東金道と乗り継ぎ、東金IC~R126
 
時刻は5時過ぎ。
スタンドに立ち寄り、日の出までまだ時間がありそうなので
眠気覚ましにコーヒーを一杯。
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薄っすらと明るくなりつつある千葉の空は灰色に染まっていた。
東金九十九里有料道から望む田園風景にも霧が立ち込めていた。
 
今日のスタート地点に選んだ九十九里浜には5時半着。
灰色の空の下、荒廃した様な雰囲気に包まれる九十九里浜
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散歩中の初老の男性が話しかけて来た。
 
「名古屋から来たのかい!?」
 
「ええ」
 
「そんな遠い所からよく来たもんだ。
ここは、どこまで行っても海しかねえんだよ。
どこまで行くんだい?」
 
「野島崎です」
 
「それならそこの道だ。あれをひたすら南下するだけだよ。
ほんとに海しかねえから。絶景も何もありゃしねえ」
 
「そうですか…でも、行きます」
 
「そうかい。なら、気をつけてな!」
 
ヘルメットのシールドで軽く会釈し、僕は南へと走り出した。
目指すは房総最南端の地、野島崎。
 
K30~R128
海岸沿いではあるが、砂防林で海はあまり見えない道が延々と続く。
早朝とは言え、サーファーで賑わうこの土地は交通量もそれなりだ。
 
勝浦にて。
7時頃には雲間から青空が顔を覗かせ、やがて雲は消える。
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潮岬へのR42からの眺めに似ていて、
あの日のツーリングを思い出していた。
 
九十九里浜から野島崎までおよそ110km
時間が経つに連れ交通量も増え、近い様で遠い最南端の地。
通常ならR128~R410で海岸線のまま向かうんだろうが、
道に飽きて来たのでR128で館山へ抜け、K86で山を走り野島崎へ向かった。
 
6時に九十九里を出発して9時半、ようやく野島崎へ到着。
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雲ひとつない青空が広がり、綺麗な海だった。
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房総半島制圧地点だ。
完全なスカイブルーとコバルトブルーのコントラストが何とも美しかった。
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まだ帰りたくない。
しかし、体力は既に限界に近い。
道路状況次第ではもう一泊せざるを得ないほど疲れていた。
 
ここまでが300km
自宅まで450km
とりあえず行けるとこまで行こう…
 
K86~R127~富津館山道で房総半島を後にし、
首都高に入ると早速渋滞…
車線も狭くすり抜け出来る箇所も限られ、JCTの度に渋滞…
 
やっとの思いで首都高を抜け東名に入るなり20kmの渋滞…
 
野島崎を10時に出ても海老名SAに入ったのが13時。
まだここから300km…
この時点で帰宅を諦め海老名、厚木近辺で宿を探してみた。
が、ビジネスホテルですらやたらと高く駐車場も微妙なとこばっか。
この先もまだ渋滞が続くとなれば静岡で宿が見つかったとしても
静岡まで走る気力がない…
 
横浜町田で降りてRyoさんに「もう走れません」と連絡するべきだったなと
後悔の念を抱きながらとにかくベンチに腰掛け休憩。
 
仕方なくもう一度走り出した。
運良くここから先はほとんど渋滞なく、3時間弱で無事生還。
 
今後首都高を走らなきゃ行けない土地に行く時は夜中以外の時間には
絶対走らないと心に決めた。
 
3時~17時まで走りっぱなしで終盤はこなきじじい背負ってるんじゃないかって
くらい肩が重かったです。
 
何はともあれ、房総半島制圧したんで今は満足感に浸っています。
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